九〇年を基点として、実質賃金指数は、景気上昇を続けている米国において、なんと実質賃金の低下が見られる反面、日本は逆に上昇を続けている。これは奇怪なことである。一般に、国の製造業の従業員が減少し、サービス業の従業員が増加していくのは当然であるが、米国では自動車労働組合に見られるように製造業の賃金が異常に高く、サービス業は低い。したがって製造業からサービス業への産業構造の変化が総体の賃金を下げている。日本は逆である。
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サービス業への移行が、国の実質賃金の上昇を生み、日米逆転の傾向という現象を生んでいると見てよい。日本の失業者は年齢階層別にほとんど似ている形の失業率で、やや一五〜二四歳の若年層が高いが、外国では若年層に失業率がかたよっている。これは勤務期間の短い方から解雇していくシニオリティ制度によるものと考えてよい。次に人口ピラミッド(年齢階級別人口構成)の国際比較を見ると、後進国から先進国に移るにしたがい、ピラミッド型から筒型へと変化してきていることがわかる。日本の人口ピラミッドの特徴は、ドングリ型で幼若年層の凹みが目立つ。このことは、三〇年ぐらい後で、壮年の労働者層の急速な減少が予測され、その時点での深刻な労働力不足が懸念される。